2011年10月1日土曜日

爽快感のあるポップミュージック

僕は一時期であるが【負けて死ね】という二人組ラップグループでライブ活動をしていた。相方は【MCクスコ】という名前で、ぜんぜん【ヒップホップ】に興味がなくて、ブラジル人と日本人のハーフでどう見てもブラジル人で、イギリス人と付き合ってて結婚したんだか離婚したんだかよくわからない感じで、ジーパンに無地の白Tシャツに坊主頭という松本人志と同じ私服スタイルで、やっぱりどう見てもブラジル人。
一年以上前に【負けて死ね】でそれなりに曲を作り合っていた時期が一応あった。そもそも、頻繁にライブに呼んでいただける程に交友関係も広くないし、知り合いじゃなくても呼んでもらえるレベルのライブができるとも思ってない。というか、【MCクスコ】は別にそんなにライブする気がない。単に楽しいからやってるだけ。そこにストイックさとかを混ぜると一気に萎えてしまう。幸いにも僕自身、相方と【真面目さ】に対する感覚が似ていて、内心で【真面目に】取り組んでいたとしてもそれは絶対に表に出さない。完全にふざける事を前提としている。
今は全く活動をしていないため、別にそんな話をしても誰のためにもならないけど、これから僕がするもっとくだらない話のための前口上として受け止めてもらいたいと思う。要はなんというか【MCクスコ】っていう半外人がどんな人なのか知って欲しいという気持ちと僕が彼の事をよく知らないという気持ちを重ねた感じが伝わってもらえたらいい。

『ねぇねぇファックくん』と彼は僕の名を呼ぶ。彼の自宅のキッチンで彼が煙草を吸うのを見ていた時の事だ。
『アメリカンスクールってさ、身分とか立場の差別が日本よりずっと酷いんだよ』と彼は話を続けた。
僕はこの瞬間に“あれ?この人アメリカ人だっけ”と錯覚しそうになったが口に出さなかった。
『よくドラマとかでいるじゃん?アメフトとかやってて体格がよくて、クラスで一番可愛い子をガールフレンドにしてて、お父さんが偉い人で、みたいな奴』
ちなみにこの日、僕たち【負けて死ね】は翌月のライブに向けてミーティングをしていた、というか遊んでいた。とにかく当初はどんな曲を作ろうかという話をしに来たんだった。
『でね、ネットでね、そういうスクールカーストで上の立場にいる奴について記述しているホームページがあってさ、そこにこう書かれてたんだよ。“そういう人たちはドライブの際に爽快感のあるポップミュージックを好む”って。だからファックくん、そういう曲を繕作ろうよ!』
そして僕たちはその曲を完成させれないまま、今に至る。