2015年4月16日木曜日

一言目

我輩は猫である。名前はまだない。でも何でもいいけど、最初の一言目が浮かばないと声を出す事すらままならない。
文章を書く時でもラップをする時でも、一言目が苦手でしょうがない。
バトルやサイファーの時、先攻や一番手が上手くできない。
まあ、あと例えばだけど、カメラとか向けられて一人でしばらくフリースタイルをしなきゃいけない状況になった時、どうすりゃいいのか、未だにわからない。
お題やテーマがあったり、こういうのをやって欲しいなんてリクエストがある結構スムーズに脳味噌が働いてくれる。
でも、特に需要もない、または何が需要かもわからないまま一人きりで、しかもマジカルバナナ(死後)で言うところの「バナナ」が無い状態。
宇宙ができるビッグバンが起きる前。
どうすりゃ、宇宙が始まるのか未だにわからない。

一番いいのはそんな事をとやかく考えずにとにかく喋ってみる。
「カメラ?駄目だ、顔はNG、僕はMC〜」みたいな感じで始めるフリースタイル。
文字にしてみたらダサいので、やっぱり却下。
ラップの時は一言目ってそこまで大事じゃないけど、文章を書く時はオチより大事だから、余計にしんどい。
ラップと言ってもフリースタイルじゃなくて、曲の時だったら歌い出しはフックより大事だ。
僕の場合だとタイトルもそれと同じくらい大事。
この文章を書いている今もタイトルは無題の状態で、どうしよ、全部消そうかなって気持ちで書いている。
僕の名前が「山崎ナオコーラ」だったら迷わずに「人のセックスを笑うな」ってタイトルの文章を書くが、世の中そんな上手くいかない。
そもそも、何の話をしたくてこんな書き出しについての書き出しを枕にしたのかすら覚えていない。

一言目。
中学の時、一度も話した事のない女子に話しかけた一言目。

話しかけられなかった。

一言目。
生まれて初めてのレコーディング。初めて作品として世に出る曲の一言目。

「卵かけご飯をペットボトルに詰め込んで持ち歩いてる君はー」
(マジです)

一言目。
友人の結婚式で「ラップしてよー」と周りにドヤされ、ビデオレターを撮ってるカメラの前での一言目。

「(ラップしないで)あっ、おめでとうございます」

一言目。
中学の卒業文集だったかクラス文集だっか忘れたけどその一言目。

「百鬼夜行行列みたいな入学式から三年経ち〜」
(中二病全開過ぎて死にたい)

一言目は、君の人生を百八十度変えてしまうような書き出しにしないといけない。
結構、定期的にこのブログサイトで駄文をキックし続けるぞと意気込んではいたけど、この一言目が全然降ってこなくて、聾唖の如く押し黙ってしまったわけ。
携帯電話を携帯電話みたいに弄ってると全然、何も降ってこない。もちろん、歌詞すら書けない。
アポロはまるで月に着陸できないのである。
「はじめの一歩」の第一話のネームである。
ツイッターを始めたはいいが何も呟けずアイコンは卵のままである。
ジャンケンで負けて先攻で全く知らない奴が相手のエムシーバトルである。

フリースタイルの一言目って本当にみなさんどうしてるんですか?

自己紹介?スタイル
「イェー、僕がハハノシキュウ!女子か!ってまるでタカトシ風!」
いや、絶対ダメだな。

フリースタイルの一言目。
今日は何の日?スタイル
「イェー、今日は四月十六日、誰かの誕生日。四月十六日、誰かの命日!イェー!」
0点ですね。

フリースタイルの一言目。
手元にあるものから連想?スタイル
「イェー、これは折り畳み傘。これ畳み方。これが言葉の畳み掛け方、僕の身体はかなりなで肩」
なんつーか、ダサい。

やっぱ、誰かが言った言葉を拾うのが一番楽ですよね。
文章を書く時も誰かの言葉を拾えたらいいのに。

あと、世にはこういう締め方があるじゃないですか?
「最後に一言お願いします」
何を求めて言ってんのかまるでわからないただただ意地悪な質問である。

最後に一言?

まだ人間として始まってすらいないんで遠慮しときます。